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キャリア決済とは?仕組みや導入メリット・限度額について解説

キャリア決済とは?仕組みや導入メリット・限度額について解説

かつては「現金」「クレジット決済」が主な決済手段でしたが、近年ではさまざまなニーズから、幅広い決済方法が展開されるようになりました。特に、商品やサービスの支払い方法に「キャリア決済」を導入する事業者が増えてきています。

そのため、新たな決済手段としてキャリア決済の導入を検討しているという方は多いでしょう。しかし、自社の商品やサービスがキャリア決済に適しているのか、導入しても利用されないのではないかといった不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「現金・クレジット以外にキャリア決済も導入したい」とお考えの方へ向けて、以下の疑問を解決していきます。

「利用者がキャリア決済を選ぶ理由は?」「キャリア決済を導入する方法は?」「キャリア決済の手数料はどのくらいかかる?」

キャリア決済の仕組みや導入のメリットを詳しく解説し、システム導入に役立つ画期的なサービスもご紹介しますので、ネットショップ・サービス運営にお悩みの方は必見です。

決済システム導入・会員徴収のシステム開発ならネクストハンズ
目次

キャリア決済とは何か?仕組みと特徴を解説

キャリア決済とは、契約しているキャリア(通信会社)に決済料金を立て替えてもらう方法です。クレジットカード決済よりも利用のハードルが低く、オンライン決済や課金サービスに適しています。まずは、キャリア決済の基本的な仕組みとその特徴からみていきましょう。

それぞれ順に解説します。

キャリア決済の仕組みとは?携帯料金と合算して支払う後払い方式

キャリア決済の仕組みは、通信会社である「キャリア」が商品の代金を立て替える後払い方式です。月々の携帯電話料金と合算し、利用者に代金を請求します。

キャリア決算の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 利用者が決済時に「キャリア決済」を選択する
  2. キャリアに決済情報が送信され、決済処理がおこなわれる
  3. キャリアが商品の代金を立て替える
  4. キャリアが利用者に携帯料金と一緒に決済料金を請求
  5. 利用者がキャリアにまとめて支払う
  6. キャリアが決済代行会社・事業者へ手数料を差し引いて入金する

「決済料金を立て替える」という根本的な部分は、クレジットカード決済と同様です。クレジットカード決済では月ごとにまとめた請求金額が提示されますが、キャリア決済では毎月の携帯料金と合算で請求されます。そのため、利用者は支払いを一元管理化できるメリットがあるのです。

クレカ不要でキャリアと契約していれば即時利用可能

キャリア決済のメリットとして、まず決済の手間がかからないことが挙げられます。通信会社と契約していれば、キャリアのIDと4桁の暗証番号だけで即時決済が可能です。決済フローがシンプルかつ簡単なので、スキマ時間や移動中でも楽々決済できます。

また、キャリア決済はオンラインでのカード情報入力に抵抗があるという方にも最適です。クレジットカードのように、番号・有効期限・セキュリティコードなどを入力する必要がないため、入力ミスや情報流出のリスクも軽減できます

未成年やクレカを持っていない人も利用できる

キャリア決済は低リスクで簡単に管理できるので、クレジットカード自体を持つことに不安を覚える層でも使いやすく、未成年も利用できます。

  • カード情報の入力や発行審査が不要
  • 利用上限額が低く設定されている
  • オンラインで安全に決済できる

キャリア決済には、年齢ごとに利用上限額が定められています。保護者が設定や管理をおこなえるキャリアもあるので、高額請求のリスクが抑えられるのがメリットです。

たとえば、12~17歳までは最大1万円、18~19歳までは最大2万円と細かく設定されているキャリアを選べば、使いすぎを防げます。クレジットカードのように番号を入力する必要もないので、子どもが誤って情報を流出させてしまうリスクも低減できるでしょう。

また、大人の場合は最大10万円が限度額になっており、クレジットカードよりも少ない金額です。重課金やネットショッピングなど、つい使いすぎてしまう心配のある方でも安心して使えるでしょう。

キャリア決済の種類を紹介!大手通信会社の提供サービス

キャリア決済の種類は、提供元である通信会社ごとに異なります。以下は、大手通信会社が提供する3つのキャリア決済の特徴を比較したものです。

d払いau PAYソフトバンクまとめて支払い
キャリア(通信会社)株式会社NTTドコモKDDI株式会社ソフトバンク株式会社
利用可能な回線契約者iモード
spモード
ahamo
dアカウント発行者
au
UQ mobile
povo
ソフトバンク
LINEMO
Y!mobile
利用限度額(月)未成年:1万円
成人:10万円
12歳まで:2,000円
未成年:2万円
成人:10万円
12歳まで:1,500円
未成年:2万円
成人:10万円
特徴・dポイントが貯まる
・支払い方法が選択可能
・回線契約者以外もdアカウントを発行すれば利用可能
・au WalletやPontaポイントが貯まる
・認証方式が設定可能
・支払い方法が選択可能
・未成年は保護者が利用額を設定可能

キャリア決済は、原則自分が契約しているキャリア(携帯電話)のものしか使えません。そのため、導入時は複数のキャリア決済を採用することも検討するのがいいでしょう。

キャリア決済の導入方法は直接契約か決済代行サービスの2種類

キャリア決済の主な導入方法は、「直接契約」「決済代行サービス」の2種類です。

直接契約決済代行サービス
手続きのハードル高い(キャリアごとの契約)低い(一括申請・一元管理)
システム開発・運用負担キャリアごとに対応一括管理可能
手数料比較的低いやや高い
対応キャリア申請したキャリアのみ主要キャリア一括導入
他の決済手段との連携別途対応一元導入も可能

どちらの場合も、審査とシステム開発が必要であり、申込みからサービス開始までは約3週間~2ヵ月程度かかるため注意が必要です。

ここからは、2種類の導入方法の特徴に加え、加盟店側の条件についても解説していきます。

さらに、「独自にキャリア決済のシステム連携をおこなうのは難易度が高い」という方へ向けて、手軽に導入できるサービスもご紹介しますので、ぜひご参考ください。

携帯キャリアとの直接契約による導入方法

1つ目が、携帯キャリア(通信会社)と直接契約する方法です。NTTドコモ・au・ソフトバンクなど、各事業者と個別に契約を結び、所定の審査を受けます。契約後は、自社でWebサイトやアプリに決済機能を開発・実装することで導入完了です。

直接契約では、手数料が比較的低く抑えられますが、開発コストや運用コストがかかります。特に、複数のキャリア導入時は申請・契約・経理処理などの運用負担が発生するでしょう。通信会社ごとに契約内容・手数料・運用方法が異なるため、不慣れだと管理が難しくなります。

決済代行サービスを利用したキャリア決済の導入

2つ目は、決済代行サービスを利用してキャリア決済を導入する方法です。決済代行会社がすでに複数キャリアと契約しているため、事業者は一括で申込みできます。開発に関しても、ECサイトやアプリへの連携部分のみ対応するだけで導入できるので、手間が大幅に削減できるのがメリットです。

また、キャリア決済だけでなく、クレジットカード決済や電子マネー決済など、ほかの決済手段も同時に導入できるケースもあります。利用手数料はやや高くなる傾向ですが、複数キャリアへの対応・セキュリティ面・入出金管理の一元化ができることから、ECサイト初心者にもおすすめです。

キャリア決済の導入時に求められる加盟店の条件

導入方法に関わらず、キャリア決済導入時には「加盟店審査」を受ける必要があります。キャリア決済における適格性や、取扱い商材が適切かどうかを判断するためです。

キャリア決済の加盟店審査では、主に以下の条件が求められます。

条件内容
業種・取扱い商品の適性性キャリアごとに定める「取扱禁止商品・サービス」に該当しないか
技術的要件のクリアキャリア決済システムとの互換性があるか
(連携可能な技術環境の有無)
契約の遵守加盟店規約やサービス利用規約の遵守
その他キャリア決済サービスの利用停止歴の有無
債務不履行などの問題がないか
決済上限額の条件に適合するか など

キャリア決済は、キャリアごとに取扱禁止商材が明記されています。たとえば、古物・酒類・医薬品などの特定商品は、審査において不承認となる可能性が高いです。複数キャリアを導入する場合は、それぞれの加盟店規約・サービス利用規約をよく読み込み、トラブル発生時には責任を持って対応することが求められるでしょう。

また、加盟店審査を受ける際には、以下の書類提出が必要です。

  • 加盟店申請書
  • 取扱商品説明資料
  • 登記簿謄本(法人の場合のみ)
  • 印鑑証明書

上記の条件を満たしたうえで審査を受け、承認されるとキャリア決済の導入が進められます。具体的な条件はキャリアや決済代行会社ごとに異なるため、申込時に詳細を確認してください。

キャリア決済の利用限度額と決済手数料について解説

ここからは、キャリア決済の利用限度額と、決済手数料について詳しく紹介していきます。

キャリア決済の導入が最適かどうかは、ランニングコストや客層、サービスの価格帯によっても変動します。自社の利益率や商材も考慮しつつ、じっくり検討しましょう。

利用限度額はどのように設定される?キャリア決済の設定基準

キャリア決済の利用限度額や制限は、契約しているキャリアや契約者の年齢によって左右されます。多くのキャリアでは成人の月額上限を10万円前後に設定しているため、高額商材を主体とする事業者には不向きです。

そのため、キャリア決済は、低価格のサービス・商材・デジタルコンテンツ・アプリ内課金など、少額~中額決済が中心のビジネスに適しているでしょう。扱う商材の価格帯が幅広い場合は、キャリア決済単独ではなく、クレジットカードや電子マネーなどの他の決済手段も用意し、ニーズに対応するのがおすすめです。

反対に、若年層向けのサービスや商品を扱う事業者は、積極的にキャリア決済を導入すべきでしょう。未成年者のキャリア決済利用上限額は、成人よりも低く設定されているため、クレジットカードを持てない層の利用促進に適しています。

キャリア決済にかかる手数料は比較的高めに設定されている

キャリア決済における加盟店側の負担額(決済手数料)は、5~10%程度が一般的です。事業内容や業種によっても変動しますが、他の決済方法と比べるとやや高い傾向があります。特に、手数料が2~5%程度であるクレジットカード決済と比較すると割高に感じられるでしょう。

これは、キャリア決済が携帯電話料金とまとめて請求される利便性や、未成年者利用対応、代金回収リスクをキャリアが負うなどの「サービス付加価値」が手数料に反映されているためです。加盟店にとっても利便性や利用対象者が広がるなどのメリットがあるため、「手数料が高くても導入する価値がある」と判断される傾向があります。

ただし、導入時にかかる初期費用や月額費用、システム利用料や決済代行会社への手数料なども発生するため注意が必要です。導入のメリットがあるかどうかは、事業規模や代行会社の選択により異なります。そのため、事業者は導入前に利益率のシミュレーションをおこない、費用対効果を十分に検討するべきでしょう。

キャリア決済の主なメリットと導入時の注意点を紹介

最後に、キャリア決済の主なメリットと、導入時の注意点について紹介していきます。

自社のECサイトや事業に導入するか迷っている方は、ぜひ検討時の資料としてお役立てください。

ユーザーにとっての主なメリットと活用場面

キャリア決済は、ユーザーにとって以下のメリットがあります。

  • クレジットカード不要で利用できる
  • セキュリティ面での安心感がある
  • 決済手続きが簡単かつスピーディーにできる
  • 利用限度額が低いため使いすぎる心配がない
  • 携帯電話料金と合算で払える

携帯電話回線の契約があれば誰でも利用でき、クレジットカードのように発行審査などもないので、手軽で安心なのが魅力です。決済のわずらわしさもなく、外出先や移動中でもスピーディーに支払いできるため、スマホ中心の生活者や若年層のユーザーにも最適です。

また、キャリア決済が便利な活用シーンには以下のような例があります。

  • スマホアプリへの課金
  • サブスクリプション型のサービス(動画・音楽配信など)
  • 電子書籍やマンガの購入
  • ECサイトでの買い物(Amazon・楽天市場など)
  • 電子チケットやイベント参加費の支払い など

上記のような、オンライン決済全般や継続課金サービスの決済方法として広く採用されています。

キャリア決済導入時に考慮すべき事業者側の注意点

キャリア決済を導入する事業者が検討すべき注意点は以下の通りです。

  • 決済手数料が比較的高い(コスト面)
  • システム導入・運用のコスト(コスト面)
  • 利用限度額が低い(自社商材とのマッチ)
  • 顧客管理と利用制限(他の決済手段の併用を検討)
  • 各キャリアごとに審査が必要(導入準備のハードル)

事業者は、利益率に与える影響を事前にシミュレーションし、手数料負担やランニングコストが高すぎないか慎重に検討する必要があります。また、取扱う商品の価格帯と照らし合わせることも大切です。利用限度額や年齢制限により、サービスを購入できない側面も踏まえ、他の決済手段との併用も柔軟に検討しましょう。

また、審査はキャリアごとに定められた条件を満たし、それぞれ通過しなければなりません。この審査は業種や事業者の信用状況、取扱い商材によっても変動し、基準については公開されていないものになります。通らない場合は一部キャリアの導入ができないこともあるため、十分注意しましょう。

キャリア決済におけるリスクとセキュリティ上の懸念点

キャリア決済は利便性が高い反面、スマホの管理不足や認証情報漏えいなど、さまざまなセキュリティ上の懸念があります。

  • 不正利用リスク(スマホ紛失・パスワード使い回しなど)
  • フィッシング詐欺(キャリア決済の情報抜き取り)
  • 通知遅延による被害発覚の遅れ
  • チャージバックリスク(決済取り消しの懸念)

たとえば、利用者のスマホ管理がずさんだと、比較的安全性の高いキャリア決済でも、情報が抜き取られてしまう可能性があるのです。キャリア決済は利用通知が送れる場合があり、不正利用が発覚しにくいデメリットがあります。そのため、被害が拡大した後に発覚するケースも相次いでいるのです。

これらのリスクは、ユーザーのみではなく事業者にも影響があります。なかでも顕著なのが、ユーザーが不正利用に気付き、商品購入やサービス利用に対して「支払いに同意しない」と申し立てをおこなう「チャージバック」のリスクです。

チャージバックは、主にクレジットカード決済で知られていますが、キャリア決済にも同様のリスクが存在します。チャージバックが発生すると、売上金が取り消しになるだけでなく、商品も戻ってこないケースがほとんどです。また、チャージバックに伴う数千円程度の手数料が課される場合もあります。

売上の損失・信用低下などの多大な損害を被ることになるため、事業者側にもリスク管理と不正防止策の徹底が求められるでしょう。

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キャリア決済に関しては、3大キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク)の決済サービスが一括導入できる決済代行サービス「SBペイメントサービス」が利用可能です。キャリア決済以外にも、クレジットカードやコンビニ決済、QRコード決済など、多様な決済手段を一括導入できる仕組みがあります。

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