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Webシステム開発とは?開発の流れと使用される開発言語などを解説

Webシステム開発とは?開発の流れと使用される開発言語などを解説

Webシステムは、インターネット経由でWebブラウザから利用できるサービスの総称です。現代社会においては、インフラとしての重要な役割を果たしていることから、Webシステムの開発はわたしたちの生活に欠かせない仕事だといっても過言ではないでしょう。

この記事では、Webシステムの開発を検討している個人や企業の方に向けて、最初に知っておくべき基礎知識を詳しく解説していきます。

Webシステムの開発について
  • Webシステム開発の基礎用語
  • 学習しておくべきプログラミング言語
  • Web開発に必要な環境とツール
  • Webシステム開発の主な流れ
  • フレームワークを導入するメリット

さらに、フレームワークの選定方法や、Webシステム開発の外注先を選定する際の注意点、おすすめの受託先についても紹介しますので、自社の開発環境にお悩みの方はぜひご参考ください。

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目次

Webシステム開発とは何か?初心者にもわかりやすく解説

まずは、Webシステム開発についての基礎知識から見ていきましょう。

これからWebシステム開発に取り組もうとしている方はもちろん、外注を検討している企業の方も、ある程度把握しておくことでプロジェクトがスムーズに進みます。初心者にもわかりやすく解説しますので、ぜひ知識として知っておいてください。

Webシステムの定義や特徴・Webサイトとの違いを解説

Webシステムは、インターネットを経由して利用できるサービスやシステム全般を指す言葉です。「Webブラウザ」と呼ばれる以下の検索エンジンが搭載されているデバイスであれば、OS・媒体問わずアクセスできます。

  • Google
  • Chrome
  • Safari
  • Microsoft Edge ほか

Webシステムの主な特徴は以下の通りです。

  1. サーバー上で動作・データ管理
  2. 不特定多数のユーザーの同時利用が可能
  3. インターネット環境があれば場所・端末問わずアクセス可能
  4. サーバー側のプログラム更新のみでメンテナンスが可能

サーバー上にプログラムやデータが保存されているため、インターネット環境があれば場所・端末・人数を問わず利用できます端末に専用ソフトをインストールせずに使えるので、サーバー側を更新すればアップデート不要で最新機能を提供できるのもメリットです。

また、Webシステムは「Webサイト」と同列に扱われることがあります。どちらも、インターネットを通じてWebブラウザからアクセスできる点は共通事項です。ただし、その目的や機能には明確な違いがあります。

WebシステムWebサイト
主な目的サービス提供
業務効率化
双方向のデータ処理
情報発信
基本的な機能会員登録
商品購入
データの入力・保存
コミュニケーション ほか
静的・動的なページ閲覧
ユーザー操作双方向(入力や操作中心)一方通行のみ(閲覧中心)
具体例ECサイト
SNS
マッチングサイト
ネットバンキング
ポータルサイト
SaaS型業務システム など
コーポレートサイト
個人のホームページやブログ
ニュースサイト など

Webシステムは、ユーザーが何らかのアクションを起こすことでサーバー側の処理が発生することから、「双方向」のやり取りが産まれます。境界が曖昧なケースもありますが、ユーザー参加型・業務処理型なら「Webシステム」、情報発信が中心なら「Webサイト」と定義されるのが一般的です。

システム開発に関連する基本用語を知っておこう

ここからは、システム開発における基本用語について見ていきましょう。

  • クライアント・サーバー・データベースの意味
  • フロントエンド・バッグエンドの違い

Webシステムは、主にクライアントとされる「利用者側の端末」と、サービス提供側の「サーバー」で構成されます。ユーザーがWebブラウザで操作した情報がサーバーに送信され、サーバー側で処理された結果がWebブラウザに反映される形です。上記の用語はWebシステムの構築に欠かせないものなので、しっかり理解しておきましょう。

クライアント・サーバー・データベースの意味と役割を解説

クライアント・サーバー・データベースは、Webシステムを筆頭とする数多くのネットワークシステムにおける、基本的な構成要素です。Webシステムは、この3つの構成要素が以下のように連携することで実現しています。

  1. クライアントがユーザーの操作をもとにリクエストを送信
  2. サーバーがリクエストに応じ、データベースからデータを取得・処理
  3. サーバーがクライアントに結果を返し、クライアントはその内容を表示

特に、クライアントとサーバーは以下の相互関係にあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

クライアントサーバー
主な役割ユーザーの入力やリクエストをサーバーへと送信し、サーバーから返ってきたデータ・サービスなどを受け取って表示・利用するクライアントからのリクエストを受け取り、必要なサービスを提供する
システム開発時に求められる要素ユーザーインターフェース設計
ユーザーエクスペリエンス向上
データの収集・送信
サーバーからの情報受信 など
データベース
Webアプリケーション
API
ファイルストレージ
電子メールサービス など
具体例PC・スマホ・タブレット・モバイルアプリ など
(ユーザーが操作)
Webサーバー・アプリケーションサーバー・データベースサーバー など
(役割ごとに種類がある)

「クライアント」とは、サービスやデータを利用する側の端末やソフトウェアのことです。ユーザーが直接操作する部分になるため、使いやすさと性能が重視されます。開発者は、クライアントの要件を把握した上でシステムを設計することが求められるでしょう。

「サーバー」は、クライアントからのリクエストを受け取り、必要なサービスを提供する役割を持ちます。開発するシステムの効率や安定性に直接関わってくる要素であるため、開発者には性能と信頼性を意識した適切な設計・運用が求められるでしょう。

また、「データベース」は、大量のデータを効率的に管理するための仕組みです。Webシステムにおけるデータベースサーバーは、ユーザー情報や商品データ、投稿内容などを保存・管理し、必要に応じてすばやく取り出せるようにしています。データベースの主な役割は以下の通りです。

  • データの保存・管理・検索・削除・更新
  • トランザクション管理
  • データのバックアップ・復元 など

フロントエンドとバックエンドの違い

Webシステムやアプリケーション開発をおこなうなら、フロントエンドとバックエンドの違いも理解しておく必要があります。

フロントエンドバックエンド
担当領域ユーザーが直接操作する部分
(Webサイトやアプリの画面)
システムの裏側部分
(サーバー側の処理・データベース管理)
画面のレイアウト
ボタン
入力フォーム
動作 など
会員登録処理
データの保存・取得
API
認証
決済処理 など
開発目的使いやすく見やすいユーザー体験提供
UXやデザイン性重視
サービスの機能実現
データの安全な管理・処理

「フロントエンド」とは、主にユーザーが目にする部分、つまり直接操作・体験する領域のことです。ユーザーエクスペリエンス(UX)やデザイン性、快適な操作性などが重視されます。一方「バックエンド」はいわゆる裏側の仕組みです。ユーザーからは見えないサーバー側の動作、つまりシステムを動かす根幹部分を担っています。

この両者が連携することにより、Webサービスやアプリケーションが成り立っているのです。

Webシステム開発に使われる主なプログラミング言語を紹介

Webシステムの開発には、さまざまなプログラミング言語が使われています。ここでは、フロントエンド・バックエンドに分けて、代表的な言語とその特徴について見ていきましょう。

フロントエンド開発で利用される代表的な言語と特徴

フロントエンドの開発に使われる、主なプログラミング言語とその特徴は以下の通りです。

主な役割特徴
HTMLページの構造を定義する
骨組み・タグで要素を記述する
CSSデザインやレイアウトを制御する見た目や装飾を担当する
HTMLと組み合わせて使う
JavaScript動的な動作や機能を追加するページに動きや反応を付与する

「HTML」は、すべてのWebページの基礎的な役割を担っており、タグを使って要素を定義するマークアップ言語です。具体的には、見出し・段落・画像など、Webページの構造や内容を記述するために活用します。ただし、HTML単体では、デザインや動きの付与はできません。

「CSS」は、HTMLで作成した構造に対して、色やレイアウト・フォントなどのデザインを追加するために活用するプログラミング言語です。見た目や配置を細かく制御できるため、端末ごとに最適化する「レスポンシブデザイン」も実現できます。

「JavaScript」は、Webページに動きやインタラクティブな機能を追加するためのプログラミング言語です。主に、アニメーション・ボタンの操作・フォームの検証などをおこなう際に必要になります。フロントエンジニアには欠かせない言語ですが、HTMLやCSSと比較すると学習難度が高い傾向です。

フロントエンドの開発には、上記のHTML・CSS・JavaScriptの3つのプログラミング言語が必須となります。それぞれの役割を理解し、適宜組み合わせて使用することにより、UXやデザイン性に優れたWebページ・アプリケーションが実現できるのです。

バックエンド開発に使われる主要言語と選定のポイント

バックエンドの開発に使われる、主なプログラミング言語と選定のポイントは以下の通りです。

特徴や強み向いている用途や企業
Ruby安定性・堅牢性が高い大規模開発・大手企業
ベンチャーや業務系システムにも
Java学習が比較的容易
Webアプリ開発に強い
Web系ベンチャー
スタートアップ
PHP歴史が長く広く活用されてきた
CMS開発に強い
中小規模のWebサービス
CMS(WordPressなど)
Goシンプルで高速なトレンド言語
少ないコードで効率的に開発できる
新規サービス
ベンチャー
Python機械学習やAI分野に強い
バックエンドではDjangoなどのフレームワーク利用が中心
AI・データ分析系
試作開発

バックエンド言語は、言語の持つ特性や開発現場のニーズ、将来性を踏まえた上で慎重に選定する必要があります。バックエンド開発に使われる基本的な言語は、Java・Ruby・PHPです。

「Java」は、安定性と堅牢性に優れており、さまざまなプログラムの開発に活用されています。大規模やエンターテインメントアプリケーションやWebアプリケーションにも適しているのが特徴です。

「PHP」は、Web開発に特化したスクリプト言語で、HTMLがコード内に埋め込まれています。古くから活用されているバックエンド言語であり、依然としてWeb開発で多用されていますが、今後は「Ruby」や「Go」に置き換わる可能性もあるでしょう。

「Ruby」や「Go」は、開発効率に優れたプログラミング言語で、今後のトレンドとして注目されていますRubyは学習コストが低いため、未経験でも習得しやすいのが特徴です。Goもシンプルかつ高速なため、主にベンチャーやスタートアップ企業で人気があります。

また、AIやデータ分析も視野に入れる場合は、「Python」の導入も検討するといいでしょう。

Webシステム開発の一般的な進行プロセスを紹介

Webシステム開発は、以下の流れで進行していきます。

ここからは、Webシステム開発の進行プロセスを、上記の6つのステップに分けて詳しく見ていきましょう。

開発に入る前に必要な準備や計画を整えておく

実際の開発のステップに入る前に、まずは必要な準備や計画を整えておくことが大切です。以下がすべて整っているか今一度確認し、準備を万全にしてから挑みましょう。

  1. Web開発に必要な基礎知識と学習方法を把握する
  2. 開発に必要なツールとローカル環境を整備する
  3. プロジェクトを進める上での目的とゴールを明確にする

Web開発に必要な基礎知識と学習方法を把握する

まずは、先ほど紹介したような、Webシステム開発に必要な情報を整理しておきましょう。

  • WebシステムやWebアプリケーションの仕組み
  • 業界用語
  • 開発に必要なプログラミング言語の習得
  • 開発フローの全体像把握

外部委託をするなら、知識がなくてもWebシステムの開発自体は実現できます。ただし、最低限の基礎知識がないと、ベンダーに具体的な要望や提案ができず、もどかしさを感じるかもしれません。先述した基本的な用語やフロントエンド・バックエンドの役割などの知識も把握しておくことで、要件伝達や開発進行がスムーズになるでしょう。

開発に必要なツールとローカル環境を整備する

ある程度の知識がついたら、学んだ内容を実践するためにもWebシステム開発の環境を整えましょう。開発に必要なツールやローカル環境を整備します。

  • 統合開発環境(IDE)
  • テキストエディタ
  • バージョン管理システム(Gitなど)
  • タスク管理ツール など

Webシステム開発には、ソースコードを書き出す「統合開発環境(IDE)」や「テキストエディタ」が必要です。

統合開発環境(IDE)テキストエディタ
特徴コーディングだけでなく開発に必要な機能がすべて搭載されている文字入力とコード記述に特化
シンプルなツール
主な機能コーディング
コンパイル
デバッグ
実行
ヴァージョン管理
コードの色分け表示
検索・置換・ショートカット など
プラグインを追加すれば拡張できる
メリットデメリット開発作業が効率化できる
チーム開発や大規模開発に最適
動作が重くなりやすい
軽快な動作とすばやい起動
ちょっとした修正や小規模開発向け
複雑な開発やデバッグには向かない
代表例Eclipse
IntelliJ IDEA
Visual Studio ほか
Sublime Text
Atom
TeraPad
サクラエディタ
Vim ほか

バージョン管理システムやタスク管理ツールなどは、必要に応じて導入を検討しましょう。

プロジェクトを進める上での目的とゴールを明確にする

Webシステム開発のプロジェクトを開始する前には、目的とゴール(目標)の明確化が必須です。これが不十分だと、途中で開発が迷走してしまったり、成果物が期待と異なるものになってしまったりします。

目的は、「なぜこのWebシステムを開発するのか」という根幹の部分です。「顧客情報を一元管理したい」「営業活動の成約率向上を目指したい」など、抽象的なもので構いません。複数の異なる目的が出てきてしまった際は、プロジェクトを分割するべきかも検討しましょう。

ゴール(目標)は、目的達成のための達成基準を判断するものです。そのため、目的とは異なり、指標となる具体的な数値が必要になります。

  • 顧客情報を一元管理化→データ入力時間を20%削減
  • 営業活動の成約率向上→四半期の成約率を20%増加

目標は測定可能・達成可能な範囲で設定しますが、複数あっても構いません。これらが明確になることで、開発途中のブレが最小限になり、品質の低下・納期遅延といったリスクが低減できます。また、目的やゴールを言語化し、関係者間の共通認識として持っておくことで、方向性のすり合わせもしやすくなるのです。

要件定義と仕様を明確にして開発の土台を整える

まず、要件定義と仕様を明確にすることで、Webシステム開発の土台を整えます。依頼者と開発者が打ち合わせをおこない、「どんなシステムが必要か」「具体的にはどのような仕様・機能が必要か」を明確にする工程です。

以下を議題に入念なすり合わせをおこない、開発の方向性を決定します。

  • 解決したい業務上の課題点
  • プロジェクトの目標や方向性
  • 必要な機能や性能・制約条件の具体化

システムに必要な機能や要件が定まったら、プロジェクトの方向性を文書化した「要件定義書」を作成します。要件定義は、設計・実装・テスト・運用のすべての工程に影響するため、関係者間の共通認識を形成するためには欠かせないステップです。

外部設計・内部設計を文書化し機能と構造を具体化する

次に、要件定義をもとにしたシステムの全体像や詳細の仕様設計をおこないます。まず、見た目の仕様である「外部設計」をおこない、次にプログラミングの領域である「内部設計」に着手する流れです。これらを文章化して「設計書」を作成することで、Webシステムの機能と構造を具体化します。

「外部設計」とは、画面や操作の流れについての仕様のことです。主にユーザーが操作する部分であり、要件定義に沿ったUXかどうかが重視されます。一方「内部設計」は、データベースやプログラム構造の仕様です。主に、Webシステム内部の動作・機能・物理データなどを設計するため、開発者としての腕が問われる部分でもあります。

設計にもとづいてプログラムの実装作業を進める

次は、設計書にもとづいて実際にプログラムを開発していくステップです。開発環境でコーディングや動作確認をおこない、Webシステムを形にしていきます。複数人で作業する場合は、コードの統合なども必要になるでしょう。

また、システム開発を外注する場合は、専門のプログラマーやベンダー側が開発を進行していきます。定期的に進捗確認をおこない、場合によっては再度打ち合わせをおこなうケースもあるでしょう。

テストで不具合や仕様漏れを検証し修正していく

プログラミングが完了したら、開発したWebシステムが要件通りに動作するかを検証します。実装に向け、複数の段階でテストを実施し、都度不具合や仕様漏れを修正していくステップです。具体的には、以下の4つの段階を経て実装されます。

  1. 単体テスト(モジュールごとにおこなう)
  2. 結合テスト(システム全体の動作を確認する)
  3. システムテスト(機能や仕様などの要件を満たしているか)
  4. 運用テスト(ユーザーの環境下で正常に動作するか)

検証環境や本番に近い「ステージング環境」で動作や不具合の最終チェックをおこない、すべてクリアすれば晴れてリリースとなる形です。

リリース後の保守・運用で安定した稼働を継続する

テストをクリアしたWebシステムを本番環境にリリースし、サービスの提供を開始します。Webシステムはリリースして終わりではありません。リリース後は運用・保守をおこない、安定した稼働を継続する必要があります。

「運用」は、「システムが正常に動作するか」の確認を定期的におこなうことです。運用を継続することで、トラブルを未然に防げます。また、「保守」は万が一トラブル・不具合が発生したときの対応や、アップデートなどの変更作業などです。障害対応や機能の追加、改善などを継続することが、Webシステムの安定性・安全性につながります。

Webシステム開発を効率化するならフレームワークの活用が有効

Webシステム開発の効率化には、「フレームワーク」が非常に有効です。フレームワークとは、Webシステム開発に必要な機能をテンプレート化したツールのことで、開発コストを削減できることから、実際に多くの現場で導入されています。特に、チーム開発や中規模・大規模プロジェクトにおいては、フレームワークの導入がプロジェクトの成功に大きく貢献するでしょう。

ここからは、フレームワーク活用のメリットや、導入時の選定ポイントについて詳しく解説していきます。

フレームワークはなぜWeb開発の効率化に役立つのかを解説

Web開発にフレームワークを活用するメリットは、大きく3つあります。

  1. 共通の機能を利用できることで開発スピードが向上する
  2. コーディングのルールが統一されることで品質を保ちやすくなる
  3. 既存のセキュリティ対策や動作検証が活かせることでミスを防げる

共通の機能を利用できることで開発スピードが向上する

フレームワークを活用するメリットとしては、まず開発スピードが向上する点が挙げられます。フレームワークには、Webシステム開発に必要な以下の基本的な機能が組み込まれているため、ゼロからコーディングして実装する必要はありません。

  • ユーザー認証機能
  • データベース管理機能
  • ルーティング など

これにより、開発にかかる時間と労力を大幅に削減できるのです。

コーディングのルールが統一されることで品質を保ちやすくなる

フレームワークを活用することでコーディングのルールが統一化され、チーム開発でも品質を保ちやすくなるのもメリットです。

フレームワークは、MVCなどの設計パターンやコーディング規約にもとづいているので、ソースコードの構成が統一されています。そのため、チーム開発で多発しがちな「エンジニアごとにソースコードの書き方が違う」といった問題が発生することもありません。

また、ソースコードが統一されることで可読性も高まるので、機能の追加や修正、メンテナンスなどの保守作業がしやすいのもメリットです。セキュリティ対策やパフォーマンス最適化もしやすいため、保守性の高いWebシステムの開発が実現できるでしょう。

既存のセキュリティ対策や動作検証が活かせることでミスを防げる

フレームワークには、脆弱性対策として以下のようなセキュリティ機能が標準搭載されているケースが多いです。

  • SQLインジェクション防止
  • クロスサイトスクリプティング(XSS)
  • クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)

これらは、安全なWebシステムの開発をサポートしてくれる機能です。フレームワークには、このようなデフォルトのセキュリティ対策や動作検証が活かせるメリットがあります。さらに、よく使われる機能がテンプレート化されていることから、コーディングミスやバグの発生リスクも最小限に抑えられるのも利点です。

フレームワーク導入時に考慮したい選定ポイントを紹介

フレームワークを導入する際は、プロジェクトや開発チームのニーズに合っているかどうかを、多角的な視点から検討することが大切です。ここでは、以下の2つの選定ポイントをご紹介していきます。

  1. プロジェクト規模や目的に応じたフレームワークの選び方
  2. 代表的なWebフレームワークの特徴と目的別の使い分け

プロジェクト規模や目的に応じたフレームワークの選び方

まずは、プロジェクトの規模や目的に適したフレームワークを選定することを意識しましょう。フレームワークは、開発効率や成果物の品質、将来の拡張性に大きく影響するため、最適なものを選ぶこと求められます。以下に目的別の選び方と、具体的なフレームワークの例をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

規模・目的着目すべき点フレームワークの具体例
小規模プロジェクト
学習用途
シンプルな操作性
学習コストの低さ
CakePHP
Flask
Express
中規模プロジェクト
業務用途
拡張性
保守性
コミュニティの充実
Laravel
Django
Spring Boot
Rails
大規模プロジェクト
高負荷向け
パフォーマンス
スケーラビリティの高さ
Symfony
Spring
ASP.NET Core
Django
API開発向け軽量・高速
API構築に特化
FastAPI
Express
Spring Boot
フロントエンド重視SPA構築
UI/UXに強い
React
Vue.js
Angular

たとえば、小規模なプロジェクトの場合は、学習コストが低くすぐに使い始められるフレームワークが最適です。中規模プロジェクトの場合は、機能の追加やチームでの開発を見据えて、拡張性やコミュニティの活発さも重視しましょう。大規模プロジェクトになると、パフォーマンス・スケーラビリティ・保守性に優れたフレームワークが必要です。

また、目的や用途別にフレームワークを検討することも重要になります。API開発が中心なら、軽量かつ高速なAPI構築特化のフレームワークがおすすめです。管理画面や業務システムの開発なら、認証機能や権限管理などがデフォルト搭載されているものが便利でしょう。

さらに、将来性やサポート体制、実際の使い勝手や相性なども加味した上で判断することをおすすめします。

代表的なWebフレームワークの特徴と目的別の使い分け

ここからは、代表的なフレームワークと目的別の使い分けをご紹介していきます。

フロントエンド開発における代表的なフレームワークは以下の通りです。

代表的なフレームワーク特徴目的別の使い分け
React(JavaScript)UI構築に特化
仮想DOMで高速な画面更新
SPAや動的なUI
ページ変化の多いアプリケーション
(例:Googleマップ・PayPalなど)
Vue.js(JavaScript/TypeScript)シンプルで学習コストが低い
双方向データバインディング
効率的で拡張性が高い
初心者向け
タイトなスケジュール
柔軟なUI開発 など
svelte(JavaScript)コンパイル時に最適化
ランタイムが軽量かつ高速
直感的な記述
軽量・高速なUI
UX重視の小規模・中規模アプリ など
Backbone.js(JavaScript)軽量設計・高い柔軟性
必要な機能だけ追加できる
小規模・中規模プロジェクト
特定機能の実装
既存サービスへの組み込み など
Meteor(JavaScript)フルスタック型
リアルタイム同期
言語をJavaScriptで統一
チャットやリアルタイム性重視
JavaScriptだけで完結したい など

また、バックエンド開発における代表的なフレームワークは以下の通りです。

代表的なフレームワーク特徴目的別の使い分け
Flask (Python)軽量・シンプル
必要な機能だけ追加できる
拡張性あり
初心者向けのチュートリアルあり
小規模アプリやプロトタイプ
シンプルなWebサービス など
Django (Python)管理画面や認証など標準搭載
優れた堅牢性(セキュリティ)
難易度は高いが初心者向けのチュートリアルあり
中~大規模業務システム
AIなどの大規模開発
管理画面が必要なサービス
(例:Spotifyなど)
Spring Boot (Java)高性能・エンタープライズ向け
堅牢性・拡張性が高い
企業システム
大規模Webサービス など
Laravel (PHP)モダンな設計
学習しやすく、豊富な機能を搭載
中規模Webアプリ
業務システム
CMS開発 など
Go系
(Gin, Beego, Fiber, Iris, Goji,Gorilla)
高速かつ軽量
API開発や高パフォーマンス向け
APIサーバー
リアルタイム通信
パフォーマンス重視 など

上記を参考に目的別の使い分けをしましょう。

Webシステム開発を外注するなら抑えておきたい注意点

ここからは、Webシステム開発を外注する際の注意点とポイントについて見ていきましょう。

Webシステムの開発を依頼するベンダーは、中長期的なパートナーになることも多いです。そのため、技術的な側面はもちろんのこと、予算・ニーズ・相性など、多角的な側面から選定してください。

パートナー企業は実績や専門分野を事前に確認して選ぶ

Webシステム開発の外注先を選定する際は、まず企業の実績や専門分野を事前にしっかり確認することが大切です。これにより、成果物の失敗リスクを大幅に削減できます。システムの開発には高度な専門性が求められるため、実績豊富な企業やエンジニアに依頼しましょう。

  • 技術力やノウハウの信頼性はどうか
  • 自社の要件に合った開発が可能か
  • 専門分野や得意領域の明示はあるか
  • クライアントからの評価やレビューはどうか

パートナー企業を選定する際は、まず過去の開発実績やポートフォリオを確認しましょう。

自社と同規模・同業種の開発事例がある企業なら、期待通りの成果物を得られる可能性が高くなります。また、開発したいWebシステムの分野(ECサイトや業務システムなど)での実績の有無を確認することも大切です。同様の実績がある企業なら、自社のニーズにマッチした提案や開発が期待できるでしょう。

さらに、使用言語やフレームワーク、インフラ対応など、技術的な強みも確認しておけると安心です。

受託型と常駐型の違いを理解して自社に合った依頼方法を選ぶ

Webシステム開発のベンダーは、大きく「受託型(請負)」と「常駐型(SES・ラボ)」のサポートタイプに分かれています。それぞれの特性とサポート範囲を理解し、自社のニーズに合った方法を選択することが大切です。

受託型(請負)常駐型(SES・ラボ)
管理負担低い(外部に一任する)高い(自社管理が原則)
コントロールしにくい(原則進捗報告のみ)しやすい(直接指示や調整可能)
責任の範囲・所在ベンダーが納品物に責任を持つ自社が成果・進捗に責任を持つ
柔軟性仕様変更に弱い
(追加費用や納期増の可能性)
仕様変更にも柔軟
(適宜変更・追加しやすい)
契約形態請負契約準委任契約(SES)

「受託型」は、プロジェクトを丸ごと外部に任せたい場合に適している方法です。納品物の完成を契約条件とし、企画から開発・テスト・納品までのすべての工程を開発企業に一括外注します。自社でエンジニアを管理するコストがかからないことや、納品や品質に関する責任を外注先が負ってくれるのがメリットです。

ただし、開発の中身がブラックボックス化しやすいため、自社で細かい内容をコントロールするのは難しいデメリットがあります。また、開発の途中で仕様変更や追加の要望などが発生すると、コストがかさむ可能性が高いです。

一方、自社で開発現場をコントロールしたい場合は、外部からエンジニアを派遣してもらう「常駐型」が最適でしょう。エンジニアの雇用関係は外部ベンダーにありますが、プロジェクトの一員として自社の指示で動いてくれます。直接エンジニアに指示できることから、開発内容を細かくコントロールでき、仕様変更や要件追加にも柔軟な対応が可能です。

ただし、この場合は外部ベンダーに成果物の納品責任はありません。あくまでも「業務提供」の契約になるため、完成品の品質や納期などの最終責任は自社にあります。さらに、エンジニアの管理や進捗確認についても、自社でリソースを割かなければなりません。

外注費用の内訳と相場を把握して予算と見合うかで選ぶ

Webシステム開発の外注時は、費用の内訳と相場を把握することも重要です。予算と要望のバランスをしっかり見極めてから選定しましょう。

Webシステム開発における見積もりは、以下のような項目で構成されています。以下は、1つの目安としてお考えください。

工程費用相場
要件定義費用50万円~100万円前後
設計費用150万円~200万円前後
実装(デザイン・システム開発)費用400万円~500万円前後
テスト・修正費用200万円~300万円前後
デプロイ費用50万円~100万円前後

ほかにも、導入・サポート費用や保守・運用費用などが加味されるケースもあります。小規模案件や限定的な機能のWebシステム開発においては、上記の相場よりも安くなることもあるでしょう。

Webシステムの種類費用相場
コーポレートサイト20万円~300万円前後
ECサイト60万円~400万円前後
マッチングサイト100万円~500万円前後
予約管理サイト80万円~500万円前後
CMS50万円~400万円前後
掲示板50万円~300万円前後

Webシステム開発全体の相場は、50万円~500万円程度とベンダーによって幅がありますが、平均すると200万円前後です。ただし、開発するシステムのタイプによっても金額は変動します。

よくあるWebシステムの種類と利用シーンの紹介

最後に、よくあるWebシステムの種類と利用シーンについてご紹介していきます。

それぞれ順に解説します。

勤怠管理や受発注を効率化する業務系Webシステム

業務効率化を目的とした「業務系Webシステム」は、主に企業の日常業務を自動化・効率化する目的で開発されます。よくある業務系Webシステムの主な機能は以下の通りです。

システムの種類機能利用シーン
勤怠管理システム打刻・集計・シフト・申請管理テレワーク・複数拠点・労務管理
受発注管理システム受発注・在庫・伝票・履歴管理BtoB・ペーパーレス・外出先対応
ワークフロー系システム申請・承認・回覧・履歴・通知稟議・申請業務の効率化、内部統制
RPA/ローコードシステム業務自動化・アプリの迅速開発定型業務の自動化(経理など)
独自の業務アプリ導入

上記を導入することで、人為的なミスや工数が削減でき、よりリアルタイムな情報共有が実現できるようになります。業務系Webシステムの導入は、デジタル化・DX化の実現にも大きく貢献するでしょう。

ECサイトやマッチングサービスに活用される商用Webシステム

ECサイトやマッチングサービスは、商用Webシステムの中でも特に多様な業種やビジネスモデルで活用されています。

それぞれの主な種類と利用シーンについては、以下をご覧ください。

ECサイトマッチングサービス
種類総合型(複数店舗やジャンルを扱う)
自社型(独自ドメインで展開)
特化型(特定ジャンルに特化)
BtoB(企業間取引)
BtoC(企業と個人)
CtoC(個人間取引)
CtoB(個人から企業)
機能商品管理
カート・決済・注文管理
会員登録・ログイン・マイページ
メール通知・ポイント・クーポン
レビュー・レコメンド機能 など
プロフィール登録・検索
マッチング・推薦アルゴリズム
メッセージ・チャット機能
取引・決済・評価システム
カレンダー・予約管理 など
利用シーン小売業のオンライン販売
メーカー直販やD2C展開
サブスクリプション型商品の販売
BtoB向けの業務用商材販売 など
企業同士のパートナー・案件探し
求人・転職活動
フリーランスと企業のマッチング
個人間の物品売買やレンタル
予約型サービス など

ECサイトは「商品と購入者」を、マッチングサービスは「需要と供給」を結びつけるのが目的です。

システム開発の受託ならネクストハンズ

ネクストハンズ

ここからは、株式会社ネクストハンズのWebシステム開発サービスをご紹介していきます。

株式会社ネクストハンズは、静岡県を拠点に、Webシステムやスマートフォンアプリの開発、ネットショップの開発支援などをおこなっているIT企業です。特にSaaS事業やECサイトの構築における豊富な実績を持っており、ネットショップの新規立ち上げやWebシステムの運用・拡張を検討する企業に適したサービスを展開しています。

ネクストハンズのWebシステム開発には、以下の強みがございます。

20年の開発実績と技術ノウハウで最適なソリューションをご提案

ネクストハンズは、立ち上げから34年、インターネット事業の開始から20年以上の確かな実績を持っています。インターネットの黎明期から業界に携わってきているため、豊富な技術ノウハウと幅広い対応力があるのが強みです。現在は、自社開発のクラウドサービス(ASP/SaaS)を中心としたストックビジネスを展開しており、安定したサービスの提供と長期的なサポートを実現しています。

また、SaaSサービスで培った大容量データ管理やサーバーの負荷分散といった、安定運用のノウハウも充実しているため、信頼性の高いWebシステムを構築できるのも強みです。単発の開発はもちろん、運用・保守や機能追加などの継続的なサポート体制も提供できます。

ECサイトの構築やアプリ開発を最適化してくれる

ネクストハンズのWebシステム開発では、SaaSの利便性と効率的なプロダクトの提供を重視しています。そのため、カスタマイズ性や拡張性を重視したECサイトの構築やアプリ開発の最適化を求める企業に最適です。ショッピングモールや独自ドメイン店舗、スマートフォンアプリなど、販路や運用形態に合わせた柔軟な提案をしてもらえます。

また、ネクストハンズのサービスは、すでに10,000社の企業が利用しているという信頼性も魅力の1つです。業界・業種を問わず、さまざまなECサイトやWebシステム開発の実績を持っています。以下は、ネクストハンズが過去に対応した商材の一例です。

  • 総合通販
  • ファッション
  • 食品
  • 自動車
  • 家具
  • 家電製品
  • 美容・健康 など

決済サービス連携や他システムとの連動など、ビジネスニーズに合わせた最適が提案も期待できるでしょう。

PythonとPHPの両言語でのシステム開発に特化

ネクストハンズでは、PythonとPHPの両言語に精通した、熟練のエンジニアチームが在籍しています。Pythonは、汎用性が高くデータ分析・AI・業務システムなどの幅広い用途に対応できる言語です。また、PHPも、Webサービス・ECサイト・CMSなどで広く利用されています。

この両言語の特性を熟知したエンジニアが在籍しているため、プロジェクトごとに最適な技術の選定や、システムの設計が実現できるのです。

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